NEW JAPAN CUP2019でハイフライフローを封印して闘った棚橋弘至。
棚橋いわく、シャイニングウィザードや足4の字に切り替えた武藤敬司のようなスタイルチェンジを模索していたようです。
棚橋弘至の膝の状態とハイフライフロー封印の苦悩について考えてみたいと思います。
棚橋弘至の膝の状態は?
膝の断面のフリー画像が見当たらなかったので、下手で申し訳ないんですが内側から見た膝の図を簡単に書きました。
棚橋は2007年に右膝半月板損傷および内側靭帯損傷のために欠場しています。
その際に手術で半月板を半分除去。その3年後の診察ではもう取るほども残っていなかった様子。
靭帯に関しても両膝の内側側副靭帯、左の前十字靭帯と右の後十字靭帯を断裂したままなんだそうです。
手術での長期離脱を拒み闘い続けた棚橋は去年の2月には右膝関節変形症のために欠場しています。
この右膝関節変形症は高齢者の女性に特に多く見られるものです。
棚橋の場合は、靭帯が切れ半月板もない事から膝がぐらつくようになった事で軟骨が削り取られ、関節が太くなり可動域が狭くなっていったという事のようです。
炎症とむき出しの骨の痛みで筋肉も固まりますます可動域は狭くなっていくのが膝の変形関節症。
軟骨は再生されないと言われていますから、コメントを聞く限り、棚橋はプロレスラーでいる間はこの変形関節症とうまく付き合っていこうと思っているのでしょう。
棚橋が食事に気をつけているのも、だらしない体を見せたくないという部分もあるでしょうが、体重を増やすとその分膝に負担が来るからでもあります。
1キロ増えると膝の負担は3~5キロ分増えるとも言われていますから。
痛み止めの注射を打ってテーピングでグルグルに固定して闘い続ける棚橋。
それをどう感じるかはそれぞれの想いがあると思いますが、飛び続けた代償は大きいですね。
変形関節症というと、棚橋が付き人を務めていた武藤敬司も長い間膝が曲がったままでした。
300m以上歩けないとか、車イスで移動する事もあるという話しが自伝などにありました。
武藤は2018年の3月に人工関節の手術を受けています。
そして2019年4月にグレート・ムタの試合があるようなので、復帰まで約1年かかった事になります。
武藤の場合は手術後に可動域が広がった事が嬉しくて、スクワットをしすぎて皿にヒビが入ったというのも影響はあるかもしれませんが。
靭帯の断裂という部分でいえば、内藤哲也も入門前に右膝の前十字靭帯を断裂、その後2012年にも同じ右膝の前十字靭帯を断裂して手術しています。
内藤選手もプロフェッショナルに出演した際に、膝の水を抜きにいっているシーンがありました。
関節内に炎症がおきると関節液が過剰に産出され、膝に水がたまると言われる状態になるそうで、代表的な原因は変形性関節症などが挙げられるそうなので、内藤選手も膝は心配です。
飛び技が膝に与える影響
棚橋のハイフライフローが膝にどのような影響を与えるかは少し考えれば想像がつくと思います。
自爆するとモロに膝を打ち付けますし、ヒットしても膝を少なからず打ち付けます。
武藤敬司や小橋建太などが膝を痛めているのもムーンサルトプレスが原因と言われています。
特に武藤のラウンディングボディプレスは相手に一直線に飛んでいきますから、高さと遠心力から膝にかなりの衝撃がくる事が予想できます。
現在の新日本ではSANADAがラウンディングボディプレスを使いますが、技の後に膝が痛そうな素振りを見せる事がありますから、ずっと使っていくのは危険かもしれませんね。
逆に飯伏幸太はあんなに飛んでいたのに膝は新品の状態なんだそうです。
体重が軽めという事と、ふわりと飛ぶタイプである事、空中姿勢が安定しているという事などが考えられます。
あとはよく考えてみるとコーナーポストから純粋なムーンサルトプレスをしませんよね。
その場飛びだったり、三角飛びケブラーダとかスワンダイブ式カンクーントルネードなんかは場外にいきますし。
その分、コーナーから飛ぶ技はファイヤーバードスプラッシュもフェニックススプラッシュも前方回転で落ちてきますから、受け身を取る手や腕の方に衝撃が来るんでしょうね。
ファイヤーバードスプラッシュで2回肩を脱臼していますし、手首や指の調子が良くないという話しを本人もよく語っています。
ウィル・オスプレイも怪我が多いですし、まさに命を削りながら飛んでいますね。
ハイフライフロー封印の苦悩
棚橋がハイフライフローを封印して闘ったNEW JAPAN CUP2019。
1回戦はヤングライオン海野にテキサスクローバーホールド
2回戦は田口にドラゴンスープレックスホールド
3回戦はザックセイバーJrにジャパニーズレッグクラッチホールド
振り返ってみると勝利した3選手は比較的軽量な選手でした。
改めて振り返って気づきましたが、関節技、投げ技、抑え込み技で勝ち上がっていたんですね。
まさに模索中という感じでしょうか。
どれも過去に使ってきている技ですし、この先もっとウエイトのある選手とやっていく時にドラゴンスープレックスホールドは膝の状態も考えると厳しいでしょうね。
スタイルズクラッシュも膝を打ち付けますし。
膝の負担が少なく、相手のウエイトに関係なく決めれる。
そうなるとやはり関節技でしょう。
ザックとの再戦というのもちょうどいいと思います。
どちらにせよMSGで新しい技を使えばそれだけで今後「MSGで初披露した」という説得力がのっかりますし、お披露目に期待したいところですね。
MSGは特別ですし、ハイフライフローを飛んでしまいそうな気もしますが。
MGS以後、これまでのスタイルに戻し、2020年現在も、ハイフライフローを飛び続けています。
こちらからは、以上です。