3.20 NEW JAPAN CUP準々決勝
石井智宏対YOSHI-HASHI
前回のブログでも書きましたが、実績や歩んできた道のりに圧倒的といってもいいほど差のある両者の対戦。

1回戦、2回戦と壮絶な試合を展開してきた部分でも、YOSHI-HASHIにかかるプレッシャーはかなりのものがあったと想像できます。
試合を通じて感じたのは、YOSHI-HASHIの覚悟と石井の愛でした。
石井智宏とYOSHI-HASHIの比較
少し2人の実績という部分を振り返ってみます。
石井は天龍、長州の付き人を務めた経験もあり、常に全力ファイトを長年繰り広げてきました。
名勝負製造機という名前の通りベストバウト級の試合を連発し、いまや石井のシングルに外れなしという認識のファンも多いと思います。
一方でYOSHI-HASHIは、
デビューが遅めという事もありますが、かなり寂しいものがあります。
新日本プロレスにおいて、同期ではなく、同じ年齢という部分でみると
内藤哲也、飯伏幸太、タマトンガ、ロッキー・ロメロ
あたりとなりますが、彼らの実績と比べるとかなり差がある事は明らかです。
内藤が2006年、飯伏はDDTで2004年にデビューとYOSHI-HASHIに比べるとデビューは早いですが(YOSHI-HASHIは2008年デビュー)、両者とも怪我などでの長期離脱を経験していますから、それを考えると余計に差を感じてしまいます。
もちろんそんな事は本人も感じているはず。
そのうえで石井にどう立ち向かうのかを僕は注目していました。
YOSHI-HASHIが魅せた覚悟
前哨戦から両者はバチバチの打ち合いを展開していました。
今までとは明らかに違う、気合いを全面に出したYOSHI-HASHI。
準々決勝でも前哨戦のままにゴツゴツしたぶつかり合いに真正面から立ち向かっていきました。
見ているほうがしんどくなってくるくらいの削り合い。
痛みと感情が伝わるプロレス。
迫力ある逆水平チョップは石井にひけをとらなかったし、何度も何度も立ち上がり叫んで気合いを入れる様は、ある意味過去の自分に抗っているようにも映りました。
自分の殻を破る。
それは石井がYOSHI-HASHIの肩のテーピングを剥ぎ取ったシーンにも表れているように思います。
「変わるなら今しかねぇぞ!」
という後輩に向けたメッセージ、石井の愛だったんではないかと思います。
自ら肩のテーピングを剥がし猛然と石井に立ち向かっていく姿にも見ていて熱くなりました。
試合後にミラノコレクションが言った
「これを後に繋げていくことが大事」
という言葉。
YOSHI-HASHIは点を線に変える事が出来るのか?
石井からのメッセージを受け取り、新たな自分を表現していけるのか?
YOSHI-HASHI覚醒?
翌日に行われた、石井対オカダの前哨戦にあたるタッグマッチ。
しっかり肩にテーピングしてきたYOSHI-HASHI。
少しだけ、本当に少しだけですけど「おーい?」と思ったものの、これは本当に肩の具合がおもわしくないんでしょうね。
序盤こそ前日のダメージが大きいのか動きに精彩を欠いていましたが、中盤から徐々に盛り返し、後藤に強烈な張り手。
何だかいつものYOSHI-HASHIと違う、攻撃的な一面、覚醒の片鱗を見せてくれました。
もうすぐデビューから11年。
年齢は36歳を迎えていますが、YOSHI-HASHI自身の言葉を借りるなら物事が変わるのは一瞬。
これからの新しいYOSHI-HASHIに期待したいと思います。
こちらからは、以上です。